【シエスタのカメラ雑記①】Nikomat FTN
今回は写真ではなく、カメラについてのお話を少々したいと思う。
と言ってもこのご時世、わざわざ紹介するような目新しい情報があるわけでもなく、ただ自身が使ってきた感想という形程度にしかならない。(それすらも必要ないような気がするが...)
そんなわけで今回お話するのは、我らがNikonのカメラ『Nikomat FTN』についてである。
某ネットオークションにて大体3000円程度で落札した。前の持ち主が丁寧に利用していたのか、モルトも張り直ししてあり、またボディにはへこみといったものが無かった。
Nikomat FTNのスペックは下記の表の通りである。
マウント | ニコンFマウント |
シャッター速度 |
金属羽根縦走りフォーカルプレーン(コペルスクエアS) B,1~1/1000 |
ファインダー | 視野率92% 倍率0.86倍 |
測光方式 |
EV 4-17(ASA100,F2レンズ時) |
サイズ | 148.5×95×54.5mm 約765g |
発売年 | 1967(昭和42)年10月 |
さてこのカメラ、Nikonが大衆向けの普及機として世に放ったいわゆる「廉価機」という扱いであるが、そのように全く見えない。
そもそも、今でいう廉価機であるD3000・D5000シリーズというよりは、D7000シリーズや3ケタDX機あたりの位置づけなような気がする。
私がこのカメラと出会ったのは高校生の時であった。この時、友人と横須賀に写真を撮りに行ったときに持ってきていて、自分も触らせてもらえる機会があった。
その時の興奮を忘れられず、つい先日、購入をすることにした。
それともう一つ、Auto NIKKORなどの鍵爪付きレンズを集めていたこともあって、爪を使ったガチャガチャをやってみたかったという思いがあった。
この時に発する音が好きで、毎日撮るわけでもないのにレンズを付けては外す、ということを繰り返している。
フィルムカメラ自体は、PENTAXやKonica、Olympusと買っては手放しを繰り返してきたが、結局はNikonに落ち着いた。
今まで購入してきたレンズが使えるということも大きいが、やはりあのワクワクを感じられるカメラだったからだと思う。
普段の撮影はD200かF90で済ませることが多いが、気分が乗らないときや、カメラに疲れたときには、この子を手にして出かける。
50単か35単を装着し、思うがままにシャッターボタンを押す。
良い感じに撮れたかな、と期待を胸にまた次の被写体を探しに行く。
デジタルとは異なる描写がまた一つ、フィルムの面白味を演出してくれる。
デジタルでは意識しなかった景色が、フィルムでは画となる。
現像が仕上がるまでのワクワク感。タイムラグがあるのも良いものだなと思えるこの頃。
今日はどのフィルムを使おうか。今日はどのレンズを付けようか。
今日もNikomatを片手に町へ出る。